伊島 薫/あぶな絵 「針と糸、そしてけむり」2018
人にはなかなか言えない、でもやってみたい見てみたい。
人からはおかしな目で見られるかもしれない、変態だと言われるにちがいないと思い、なかなかできなかったことをやらせてくれるというので引き受けた雑誌の仕事。 その雑誌には取次ぎ店からヒステリックなクレームが入り連載2回であっけなく打ち切りに…
そのおかげで、そこまで拒絶されるということは、なにか人に訴えかけるものがあるのだという手応えを強く感じ、その後も撮影を継続しつつ、 いつ発表しようかと思い悩んでいるうちに10年が経ってしまった。
それがここにきて京都場の眞田大輔くんと仲野泰生さんそれに老舗壁材メーカー「北辰」の萬本浩也さんという “変態仲間” いや “よき理解者” を得て このたびこれまでの封印を解き、とうとうこの禁断の作品を発表することにいたしました。特に萬本さんが開発した塗り壁の素材を利用した画期的なインクジェットプリントは、 私の想像を超えて人肌の質感を見事に表現してくれ、この展覧会を開こうという決断を私にもたらしてくれました。
江戸時代の春画に置き換えるならば私が絵師、萬本氏が刷り師、京都場が版元という感覚で、ある種危険な匂いのする、かといって単にSMや緊縛という カテゴリーには収まらない新しいタイプの「あぶな絵」を、上質で美しい大型プリントによってご覧いただきます。
伊島 薫
●オープニングパーティー /9月15日(土)午後5時-8時(伊島 薫とモデルのトーク有)
●第十二弾アート講座 /伊島 薫と安斎 肇 『変態を語る』 9月23日(日)午後5時-7時30分 完全予約制につき、観覧およびオープニングパーティのご予約、お問い合わせは 下記メールアドレス宛にお名前・ご連絡先をご一報ください。(会期中は火曜・水曜休館となります)
伊島薫 …. 1954年京都生まれ 。国内外で多数の展覧会、及び多数の美術館にコレクションされる。1980年代、様々なミュージシャンの撮影からスタートし、数多くのファッション誌の仕事を経て、広告写真の第一人者として活躍。その後、現在伝説とも言われる実験的なファッション誌「ジャップ」を創刊。死体にハイブランドを着せるという「死体のある風景」シリーズが高い評価を受け、以降ドイツを中心に欧米各地で個展が開催されている。国内では、2012年の豊田市美術館「カルペ ・ディエム」展のメインビジュアルとしても起用され、約2万人を動員し各方面で話題を呼んだ。